東京都心を環状に結ぶ山手線。山手線と一部区間を並行して大宮から大船へ向かう京浜東北線。東京から高尾、山梨、塩尻・松本へ向かう中央本線。三鷹までほぼ並走する総武線。同じ西でも、神奈川、静岡熱海方面へ向かう東海道線。北へは東北方面へ向かう宇都宮線、常磐線、群馬へ向かう高崎線。そうしたJR東日本の主要路線が一堂に会すのが東京駅だ。
 それだけの路線が揃うと駅の中の移動も大変。山手線から千葉へ向かうには京葉線に乗り換えるのだが、一説では7分近くかかるという。ベイエリアを結ぶ京葉線である、通勤通学に加えてディズニーへの観光客の存在もある。
 そんなこんなの事情を鑑みて、ZOZOマリンスタジアムで行われる試合は18時15分開始になるとか。なんでも、最寄駅からは徒歩15分、バスで6分だそう。海に面していることから独特の強風もあり面白そうな球場ではあるが、行ってみたいとは…。

 風速は3m。打球が流されるなぁ、と普段から東京Dに慣れている身としては思うが、昨日ラジオで解説していた里崎さん曰く「1桁ならそよ風」。こうした一種のカルチャーショックも交流戦の醍醐味だろうか。
 風のいたずらを受けずにそよ風で試合が出来てはいるが、今日の巨人打線は打てない。そもそも打球が上がらないのだから風のいたずらもへったくれもあったものではない。相手先発ボルシンガーの前に手も足も出なかった、そんな試合だった。
 とはいえ、収穫がないわけではない。むしろ大きな収穫があった。ここまでなかなか本調子を発揮できずに苦しんでいた田口が6安打2四球の1失点で完投。スミ1で、しかもタイムリーを許したわけでもなく、内野ゴロ間の一点で黒星が付くのは一概に打線が悪い。今日の田口は責めてはいけない出来だった。

 今シーズンの田口は、キャリアでも最も苦しんでいると言っていいぐらい苦しんでいた。生命線の低めへの制球が出来ず、ボールが浮く。スライダーは決まらずに高めへ抜けてドカーン、という光景を何度と見た。もっとも、この秋でやっと24歳。この辺で苦しみを経験すれば、のちの引き出しの多さに繋がるだろうと思ってみていた。
 四月はまさにどん底だったが、前々回、山岡と投げ合ったオリックス戦あたりから復調の気配が見えてきた。低めにストレートが決まり出し、スライダーも高さを間違うことは少なくなってきた。そして今日の投球。次回登板次第では田口が復調した、と言えるだろう。

 田口が復調するとしないでは大違いだ。菅野という絶対的な柱があり、山口俊ももう一つの柱と言っていい。そこに田口が入って三本柱を形成できれば、単純な計算だが、1カードは勝ち越し、もう1カードも初戦を取れれば勝ち越しの可能性は大きく広がる。そうした野球をできていたのが、昨年の巨人。菅野、田口、マイコラスの三本柱で夏場以降の反転に繋がった。
 ここ数年の田口の実績からしても、二桁は最低限、前提となる投手。その投手が復調すれば、上位も当然見えてくる。言い方を変えれば、田口が復調しないことには上位は見えてこないということだ。
 この交流戦は例によってセはパ相手に苦戦した。そのおかげで「団子状態」となっているが、首位広島を捉えて、追い越すために必要な、投手陣では最後のピースは、どうやら埋まりそうだ。
 「投手陣では最後のピースが埋まった。あとはゲレーロだ。」と書くためには、来週の、かのヤクルト打線を相手にどんな投球を見せるかにかかってくる。

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